KIKOE×ヒト

難聴者はどのような場面で困るのか?なぜ情報保障が大切なのか?

こんにちは、KIKOE LIFEです。先日☟のツイートをしました。

難聴者はどのような場面で困るのか?」「難聴者にとって、なぜ字幕や文字情報、要約筆記や手話通訳が必要なのか?」についてまとめたものですが、この内容についていくつかコメントをいただいたので、それも追加したうえで一つ一つのスライドについて詳しく説明したいと思います。

難聴者について知ってほしいこと

難聴者の数

難聴者数は人口の約10%と推測されています。2020年5月時点の日本の人口は1億2590万人なので、難聴者数は約1200万人以上と考えられます。

☝の「先天性疾患の発症率」のグラフを拡大したものが下図です。生まれつき高度の難聴(両側)がある赤ちゃんは、約1000人に1~2人います。他の先天性疾患と比べても高い確率であることがわかります。

新生児の難聴にできるだけ早く気づくために「新生児聴覚検査」があります。しかし、市町村によって公費負担率や要支援児に対する指導援助率などは大きな差があります。どこに住んでいても適切な相談支援・療育が受けられるよう体制が整られたらいいですね。

平成30年度 新生児聴覚検査の実施状況に関する調査報告/厚生労働省

難聴のタイプ

難聴者の約8割は感音性難聴と言われています。ただ音が小さく聞こえるだけではなく、音が不明瞭に聞こえたり歪んで聞こえたりします。そのため、「何か話しかけられていることはわかっても、何と言われているのか会話内容がわかりにくい」という状態になります。

難聴の原因やタイプ、聴力検査の見方については、聴力検査の結果からわかること|見方を理解しようを見てくださいね。

コミュニケーション手段について

難聴者といっても聴力の程度や生活背景は様々なので、どのコミュニケーション手段が一番その人にとって楽なのかは個人によって異なります。

「その他」には、スマホやタブレットなどの使用が含まれています。上図は平成18年度に行われた調査結果なので、また新たに同様の調査が行われたらいいなぁと思います。

身体障害者手帳について

身体障害者手帳(聴覚障害)を所持している難聴者の数は、18歳以上で34万3000人、18歳未満で1万5800人(平成18年身体障害児・者実態調査結果)です。1200万人以上いると推測されている難聴者数と比べると、身体障害者手帳を交付されているのはごく一部の難聴者です。

しかし、身体障害者手帳に該当しない軽度・中等度難聴であっても、日常生活場面で困ることはとてもたくさんあります。身体障害者手帳がないために補聴器の購入補助が受けられない、自身の障害を他者に説明する際の証明がない、発話が明瞭な分、難聴について周りから理解してもらいにくいなど、手帳のない難聴者が抱える悩みもとても大きなものがあります。

難聴者が困ること

難聴者が困ることについて一例を挙げてみました。社会生活は「音による情報」がベースにあるため、難聴者は情報取得やコミュニケーションなど至る場面で困難を強いられる状況にあります。新型コロナウイルス予防に対するマスクやビニールの仕切りなどにより、さらに聞こえにくさに拍車がかかっていると言えます。

さいごに

「常に英語のリスニングをしているよう。聞き漏らさないように、常に意識を集中して聞いているので毎日とても疲れる」「職場に難聴者は自分しかいない。誰にも悩みを相談できず苦しい。いつも孤独感を感じている」

これらは実際に多くの難聴者から聞く言葉です。難聴者数だけを見るとその数はとても多いですが、その大半は高齢者であり、自分と同世代でかつ近い存在でとなると、なかなか同じ悩みを共有できる機会は少ないのが現状と言えます。

自分一人だけでは、「こんな工夫をしてほしい」「理解してほしい」とは周囲に言いにくい方もたくさんおられると思います。

少しでも多くの人が難聴者のことを理解し、聞こえにくさを補う保障が当たり前のものとして社会に根付くように、KIKOE LIFEとして様々な場で発信していければと思っています。