未分類

APD(聴覚情報処理障害)の聞こえづらさを改善するための工夫とは?

kikoelife

こんにちは、KIKOE LIFEです。

今回は、APDによる聞こえづらさを少しでも軽くするために、日常生活で工夫できる方法についてお伝えしたいと思います。

APDによる聞き取り困難とは?

◆聞き返しや聞き間違いが多い

◆うるさい環境下では聞き取りにくい

◆長い話になると注意して聞き続けるのが難しい

◆視覚情報よりも、聴覚情報の方が理解しにくい

◆「ちゃんと聞いているのか」と周囲から言われる

これらは、聴覚情報処理障害(APD)の方々に多くみられる聞こえにくさの様子です。APDは、「聴力は正常(聴力検査で問題ないと言われる)で、音としては聞こえているにも関わらず、言葉として聞き取りにくい」という特徴があります。APDは耳鼻科医の中でもまだまだ認知度が低く、耳鼻科を受診しても「気のせいだ」「集中してないからだ」「精神的なものだ」と理解してもらえない方も多くいるのが現状です。

聞こえづらさを軽くするための方法

「これをしたら万事解決!」とまではなかなかいかないかもしれませんが、APDに伴う聞こえづらさを軽くするための方法をいくつかご紹介します。職場や学校など、実際の生活場面で試してみながら、自分に合う方法が見つかればいいなと思います。

環境の改善

APDは周囲が騒がしい場所では聞き取りが極端に悪くなるので、環境を工夫することが大切になります。

◆テレビや音楽など、余計な音の出るものは消す

◆話をする時はできるだけ静かな部屋で話す

◆音声情報を補うために、相手の口の動きを見ながら話を聞く

ノイズキャンセリング機器の活用

ノイズキャンセリング機能とは、入ってきた音をデジタルで調整し、雑音を抑制する機能のことです。人の会話音は抑えないので、雑音下での聞き取りに有効です。

QuietControl 30 wireless headphones ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン(Bose社製)

オーディオなどと接続せずにノイズキャンセリング機能のみを使うことができます。また、ノイズキャンセリングのレベルも調整可能です。

ワイヤレスシステムの活用

ロジャー(Phonak社製)

Phonakホームページより

ロジャーは、話し手と聞き手の距離が離れた場所や周囲が騒がしい場所など、補聴器や人工内耳では聞き取りにくい環境下でも、話し手の声を送受信し、快適な聞き取りをサポートする機器です。もともとは、補聴器や人工内耳をつけている難聴児・者が活用している機器ですが、周囲の雑音を抑制し話し手の声を聞き取りやすくできるため、APD当事者にも有効な手段の一つです。

ワイヤレスマイクロホン

2台を送受信機として使用します。例えば、話し手に送信機として1台持ってもらい、自身で受信機として1台持つと、相手の声がBluetoothにより受信機に送られてきます。受信機にイヤホンを取り付けて聞くのですが、通常のイヤホンでもいいですし、周囲の雑音を抑えてよりクリアに聞きたい場合はノイズキャンセリングイヤホンを接続するのもおススメです。

補聴器の活用

補聴器は本来、音を大きくして耳に伝える機器です。しかし、最近では、周囲の雑音を抑制する機能や様々なワイヤレス機器との接続が可能になるなど、その機能は多彩になっています。補聴器は音をどれくらい大きくするかは自由に調整ができるので、検査上は聴力の低下がないAPDの方でも、ボリュームをあげずにその他の機能だけを活用するという方法もあります。

補聴器は無料(もしくは数千円)で1週間や2週間試聴することができます。補聴器は医療機器なので、試聴を希望される場合は「認定補聴器専門店」で相談されることをお勧めします。

文字情報の活用

メモに書いてもらうなどの他にも、最近では色々な文字情報を支援する機器や取り組みが広がっています。

音声認識アプリ

UDトークという無料アプリは元々聴覚障害の方向けに作成されましたが、相手の話した内容が文字になってスマホやタブレットに表示されるので、APDの方にも有効な手段です。

音声認識の性能が高いUDトークでも、相手の話し方や周囲の環境によっては誤変換は必ず生じてしまいます。ただ、ずっと耳で聞き逃さないように集中し続けるのも本当に疲れるので、補足的な手段として一度試してみてはいかがでしょうか。表示された文字情報をメールで送ることができるので、記録としても活用できます。

ICレコーダーの活用

聞き取れなかったことを繰り返し聞いて確認できるので、学校の授業や会議などの場でICレコーダー(ボイスレコーダー)を使用するのも一つの方法です。ただ、聞き返すのに多くの時間がかかるというデメリットもあります。

さいごに

APDの方の数は、推定240万人にものぼると言われている一方、社会的な認知はまだまだ乏しいのが現状です。きこえにくさは個人によって様々なので、生活背景や状況に応じて適切な工夫やサポートを当たり前に受けられる社会になれば…と強く思います。

記事URLをコピーしました