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人工内耳装用者数は?|2019年には手術件数が1万2000件を超える見込み

こんにちは、KIKOE LIFEです。

1985年に日本で初めて人工内耳の埋め込み術が行われて以降、人工内耳の性能や利便性は年々進化しています。

残存聴力活用型人工内耳/メドエルHPより
コイル一体型サウンドプロセッサ/コクレアHPより
3.0テスラのMRIでもマグネットの取り出し不要/メドエルHPより

お風呂やプールもみんなと一緒に楽しめます。

2019年4月に自民党議員を中心とした「難聴対策推進議員連盟」が発足し、聴覚に関わる様々な専門家や施設から現状ヒヤリングが行われたのですが、その中で、日本耳鼻咽喉科学会が人工内耳の手術件数について初めて公表しました。

今回は、公表された内容をもとに、人工内耳装用者数の現状についてお伝えします。

人工内耳の手術件数

日本耳鼻咽喉科学会が公表したデータは下記の通りです。

装用者は年々増えている

下図は人工内耳手術が開始された1985年から2017年までの毎年の人工内耳手術件数を表しています(両耳手術は2件としてカウント)。年々装用者数は増加しており、特に7歳未満の子どもと60歳以上の高齢者の手術件数が増加しています。

日本耳鼻咽喉科学会HPより

子どもは低年齢化が進んでいる

7歳未満で人工内耳手術を受けた子ども達について、年齢別に手術件数を示したものが下図です。これをみると人工内耳手術の低年齢化が進んでいることが分かります。

日本耳鼻咽喉科学会HPより

諸外国に比べるとまだまだ少ない

2017年の手術件数でみると、人口100万人あたり約9名の方が人工内耳手術を受けたということになります。2011年におけるヨーロッパ諸国での人口100万人あたりの人工内耳装用者数は、人工内耳に積極的な国は15~30名程度、消極的な国では5名程度となっています。日本で人工内耳の手術を受ける方は、諸外国と比べまだまだ少ないといえます。

さいごに

難聴対策推進議員連盟は、「新生児期・小児期に関する難聴対策提言~すべての難聴児に最適な医療・保健・療育・教育を届けるために~」を取りまとめ文部科学大臣および厚生労働大臣に提出しました。

この提言を受け、文部科学省および厚生労働省は、「難聴児の早期支援に向けた保健・医療・福祉・教育の連携プロジェクト報告」を作成しました。

その結果、2020年度の骨太方針に「難聴児の早期支援に向けた支援体制の構築を図るなど、難聴対策の強化に取り組む」という一文が盛り込まれました。

今後、新生児スクリーニング検査の拡充など難聴の早期診断・確定がますます進むことが予想され、それに伴って人工内耳手術件数も一層増える見通しです。

ただ、一つ大切なことは、人工内耳手術はあくまでスタートラインであるということです。人工内耳手術を受けても、装用効果は個人差が大きく、話し手の状況や環境によっても聞こえ方が大きく影響されます。

人工内耳手術後の療育、教育、就労などライフステージに沿った長期的な支援が必要不可欠です。それらが整ってこそはじめて、人工内耳装用者が安心して暮らせる社会に一歩近づけるのではないでしょうか。

2019年度末までに、難聴対策推進議員連盟が年齢各層における難聴対策を「Japan Hearing Vision」として取りまとめる予定です。詳細が分かり次第アップしますね!